ロープロファイルキーボードながらその打鍵感の良さで一躍有名になったLofree Flow。
その廉価版のLofree Flow Liteが出たという事で、実際に購入しましたのでレビューしていきます。
Lofree Flowはキーマップの変更ができないということで敬遠していたのですが、Lofree Flow Liteはキーマップの変更ができるということで購入。
ロープロファイルキーボードは指が疲れるし打鍵感も良くない、という感覚があったのですが、それを見事に覆してくれるキーボードでした。
Lofree Flow Liteの外観
- 本体
- 無線接続用ドングル(本体に格納)
- USB Type-A to Type-Cケーブル(1.5m)
- 説明書
USBケーブルのType-C接続口がL字になっているのがポイント。
キーボード上部にUSB-Cポートや接続切り替えスイッチなんかがあります。
USB-Cポートは右側にあるので、有線で使用する予定の方は注意が必要です。
ドングルでの2.4GHz帯域での無線接続が可能で、こちらも上部に格納場所があります。
Bluetoothを訳あって使えない、という人でもこれなら安心。
ちなみにBluetooth接続はFn + 1~3で3台まで切り替えることができます。アダプターを使う場合はFn + 4固定とのこと。
背面には傾斜調節用のスタンドが付いていて、スタンドを立てる・立てないで2段階の角度調整ができます。
右上にある金色の部分は、ロータリーエンコーダーと呼ばれる、ボリューム増減ができるもの。
使わねーと思っていたけど、手元で音量調節するのがあまりにも手軽すぎてなんだかんだ使っています。
手元で見ると、金色が良い差し色になっていてデザイン的にも好みです。
バックライトを光らせることもでき、キーの刻印部分もちゃんと透過して光ります。
ライトの光らせ方は何種類かあって、キーマップ変更ツール内で変更も可能です。
キーを押した場所だけ光らせる、みたいなものもあって、結構オシャレ。
キーマップ変更ツールを使わない場合、「光らせない」「光らせる」「呼吸のようなタイミングで光らせたり消したりする」が選択できます。
本体カラー | ホワイト / ビンテージグレー / ピンク |
サイズ | 84keys:316.8×138×23.5mm 100keys:374.5×138×23.5mm |
重量 | 84キー:555g 100キー:665g |
接続方法 | 有線:USB-C Bluetooth5.4:3台 2.4GHz無線:1台 |
素材 | 本体:ABS キーキャップ:PBT(文字部分はPC) |
押下圧 | 40gf |
傾斜調整 | 3° / 6° |
キーマップ変更 | 可能 |
ホットスワップ | 対応 |
Nキーロールオーバー | 対応 |
ポーリングレート | 1000Hz |
電池容量 | 2000mAh |
最大動作時間 | 約80 時間(ライトオフ時) |
ライト機能 | ホワイトのバックライト |
対応OS | Windows / Android / Mac / iOS |
Lofree Flow Liteの機能
次に、前作からの変更点や打鍵感、その他機能についても触れていきます。
前作のLofree Flowからの変更点
Lofree Flowという前作からの進化点や退化点を紹介します。
- キーマップの変更が可能に
- 傾斜調整できるように
- 重量は軽くなったが、若干(84キーで568g→555g)
- アルミニウム筐体→ABS素材で見た目の高級感が減った
- 押下圧が50gfから40gfになり軽くなった
- ドングルでの無線接続が可能に
- キースイッチの変更
一番大きいのはキーマッピング変更が可能になったことかなと。
US配列しかないキーボードなので、キーマッピングの変更がないなら手は出さないでおくか・・・とLofree Flowを購入しなかったほど。
今回、キーマッピングの変更ができるということで、通常使用に大きなデメリットは出ないと踏んで購入しました。
大きなデメリットとしては、見た目の問題かなと。
Lofree Flowがアルミ筐体で高級感があったのに対して、今回は本体はABS素材。(キーキャップはPBT)
アルミ筐体の高級感と比較すると、どうしても見劣りしてしまう部分があるのかなと思います。
しかし、正直チープな印象になるかな?と思っていたのですが、手元で見てみると全然そんなことはありませんでした。
洗練されたデザイン、という感じで、安っぽい印象は特にありません。
Lofree Flow Liteの打鍵感【動画で紹介】
一言で言えば、癖になる打鍵感。
Kailh製のPOMスイッチと、ガスケットマウントを搭載しています。
ガスケットマウントというのは、ゴムやフォームのパッドでプレートを上下から挟む構造のこと。
キーを押さえたときに沈み込むような柔らかさが生まれ、静音性にも優れます。
実際に指で強めに抑え込んでみると、以下のように沈み込みます。
これが衝撃吸収をしてくれて、心地いい打鍵感を生んでくれるというわけです。
ロープロファイルキーボードは薄型にするため、どうしても良い打鍵感は出しにくいのですが、この2つの組み合わせで良好な打鍵感を実現しています。
キースイッチはSpecterと呼ばれているもので、打鍵音は以下のような感じ。(音が出る動画です)
Hadesというキースイッチも出ていて、こちらは追加購入して付け替える必要があります。
Hadesの方が静音に特化しているということで、私も入手。
Hadesの打鍵感は以下のような感じで、かなり静音性が高いです。(音が出る動画です)
JキーだけをHades(静音のキースイッチ)に変更した状態で比較すると以下の通り。(音が出る動画です)
個人的な感想にはなりますが、以下のような印象を受けました。
カカカッとタイピングしていて非常に面白く、やみつきになる音がします。
音としてはめちゃくちゃうるさいというわけではないですが、会社でこの音でタイピングをしている人がいるとさすがに気になるかなと思います。
Hadesと比べると底打ち感が多少あり、押下圧が底までストンとタイピングできる感じ。
ロープロファイルなので高速タイピングができるからこそ、音が心地よくて気持ち良いです。
底まで押し込んではいるけど、ガスケットマウントがあるので指が痛くなるというわけでもないのが素晴らしい点。
静音特化のキースイッチで、コトコトという感覚が近いかなと思います。
人がいる環境で使うのであれば、必然的にこちらになるのかなとは思います。
Specterと比べると、底打ち感も柔らかい印象(というかほぼ感じない)で押下圧は40gfと変わらないものの、ちょっと押下圧がSpecterより強めかなという印象をうけました。たぶん「スイッチを押す」というより、柔らかいものを押し込むという印象になっているからではないかと思います。
このコトコト感は若干静電容量無接点キーボード(特にNIZキーボード)に近い感覚を覚えましたが、ストロークが短いのでなんとも不思議な感じ。
しかしながら、Specterを味わうと面白味が少ないなと思ってしまうのも事実。
正直、好みは別れるし、悩むと思います。沼すぎる。
キーマップの変更も可能
Lofree Flow Liteはキーマップの変更が可能です。
注意点として、現時点ではツールがWindowsのみの対応となっており、Macに対応するのは12月中とのこと。
といっても、Windowsを持っていれば変更→キーボード自体に保存できて、接続先を切り替えても保存されています。
なので、現時点でもMacだけしか持っていないという人以外は問題なしです!
専用ツールは以下のようなもので、公式サイトからDL可能です。
上側で変更したいキーを選択した状態で、下側で変更後に何のキーにするかを選ぶ感じ。
下側のキーに無いキーには変更できなそうなので、変態的な変更をしたい人は注意。(まぁ外部のソフトを使えばどうにでもできるけど)
赤色になっているFnキーは変更不可なので、その点は注意です。
また、Fnを押しながらの挙動も変更できますが、変更不可なキーも多いです。
しかし、押す時間によってキーの挙動が変わる機能(Mod-Tap)には対応していません。
Lofree Flow Liteを使ってみての感想
実際にLofree Flow Liteを使ってみて感じたことを、メリットやデメリットを交えつつお伝えします。
Lofree Flow Liteはデザインが美しい
Lofree Flow Liteは『Lite』と言うだけあって、チープなのでは?と考えていました。
しかし、いざ手元に届くと美しいデザインだなと。
割と見た目買いをした部分があるのですが、特にマウスと色を合わせると良さが際立ちます。
Lofree Flowと比べて高級感こそないものの、チープ感もそんなにないかなと思います。
シンプルでかわいい見た目でいいよね、という印象です。
リストレストやアームレストが不要なので、見た目のシンプルさにも磨きがかかります。
右上の金色のロータリーエンコーダーも差し色として綺麗ですし、かなりお気に入りのデザインです。
ロープロファイルキーボードなのに指が疲れにくい
最初にもお伝えしたのですが、ロープロファイルキーボードは本体とキースイッチが薄いという関係上、ペチペチという打鍵感と、底打ち感もあると言われています。
実際に私も普通のロープロファイルキーボードをいくつか所持していますが、どうしても長時間のタイピングは指が痛くなる感覚がありました。
ペチペチ固いキーを強く押し込んで、段々指が痛くなります。仕事のやる気も指がだるくて失せます。
Lofree Flow Liteはその2点が克服されていて、打鍵感も楽しめますし、底打ち感もあまり感じません。
柔らかい打ち心地と、コトコトというやみつきになる打鍵感を楽しめます。
なおかつロープロファイルキーボードの利点のキーストロークの短さを兼ね備えていて、高速タイピングが可能な一品となっています。
デフォルトのキースイッチを選択できないのは残念
デフォルトのキースイッチはSpecterとなっていて、Hadesにするには追加購入するしかありません。
キースイッチは2つ出るぞ!という情報があって、デフォルトのキースイッチが選べるかと思いきや選べなかったという期待感のふくらみもあって、最大の残念ポイントかなと思います。
ていうか前作のLofree Flowは選べるし…。
キースイッチにかなり悩む人が多いのではないかと思うのですが、まずは使用場所に応じて静音のHadesを購入するか否かを決めるのが良いのではないかと思いました。
というのも、SpecterもHadesもそれぞれの良さがあって、どちらがオススメ!とは言い難いなと感じたためです。
どっちが好きかくらい書こうかなと思ったのですが、正直決めかねています。
方向性が全然違うキースイッチなので、人前で使うから配慮してHadesにせざるを得ないという人以外、「どっちもオススメ」と言わざるをえません。
もうこれは気分によって変えたい!みたいなレベル。
Specterは楽しい!で、Hadesは落ち着く…みたいな、ベクトルの違う別の感情。
もう少し傾斜が欲しかった
スタンドを立ててみたものの、もう少し傾斜が欲しいなと感じました。
数字キー辺りがちょっと遠い感覚を受けます。
といっても、スタンドが存在しないキーボードも多くあるので、欲張りすぎなのかもしれません。もともとLofree Flowには無かったですし。
困るほどではないので、個人差もあるかも。
キーマップの変更も可能なので、慣れていない人にも安心
キーマッピングの変更も可能なので、私は打ち間違いを減らすために変更をかけています。
一番右の1列をよく打ち間違えるので、変更しています。
キーマッピングの専用ソフトは英語で詳しい説明もないけど、なんとなくで使えました。
Lofree Flow LiteにはUS配列しかないものの、キーマッピングの変更も可能なので取っつきやすいかなと思います。
US配列は日本語入力切替がAlt+`(もしくはCtrl + Space)になっていて導入の大きな障壁となりますが、マクロの導入もできるので、「特定のキーを押したらAlt+`を押したことにする」という設定で乗り切れた…という話も聞きました。
キーマップの変更機能がないと使うのはためらうレベルで重要な機能だと思っていて、これがあるだけで「買い」になりました。
なにより安い。コスパが良すぎる
1万円台という価格の安さ。
打鍵感が絶賛されているキーボードは3万円~みたいなイメージが割とあるのですが、1万円で購入できるのは本当に良い点です。
「みんなが打鍵感が良いって言ってるけど、そんなに良いの?」みたいな好奇心に駆り立てられる人も多いと思うのですが、そういった人にも手が出しやすい。
安い分チープかな?と思っていたのですが、そんなことはなく、機能もしっかりしていて致命的なデメリットも特になくかなりお気に入りのキーボードです。
Lofree Flow Liteは打鍵感の楽しいロープロファイルキーボード
Lofree Flow Liteは値段も安めで、かつ楽しい打鍵感を味わえる一品でした。
キーを打ち続けたくなる楽しさがあり、「キーボードの打鍵感ってそんなに重要?」と思っている方でも、手を出しやすいのではないかと思います。
一般的に打鍵感が良い!と賞賛されているキーボードは3万円前後かかってしまうので、なかなか手が出るものでもないですよね。
同じキーボードを使ってきたけど、気分を変えたいなーという人にも、他にはない打鍵感を味わえるのでいいのではないかと思います。