モノを紛失したときに役立つのがエアタグと呼ばれる商品。
キーホルダーとして貴重品に付けたり、カードとして財布に入れたりして、紛失時にも探せるというもの。
探す際はAppleの「探す」アプリを使って位置情報を探せます。
しかし!Appleの「探す」アプリはAndroidでは使えません。
そのため、今まではAndroidで使う場合、「Bluetooth圏内から離れたら音が鳴る」とか「Bluetooth圏内に限りタグから音を鳴らせる」などの使い道しかありませんでした。
つまり、エアタグだけを持ち出して紛失したらお手上げ状態になります。
しかし、ようやくAndroidでも使える、Googleの「デバイスを探す」というサービスが誕生し、対応するエアタグも発売されました。
今回は、そんなGoogleの「デバイスを探す」に対応したMiLiのエアタグをレビューしていきます。
MiLiのエアタグの概要
- 本体
- 取り付け用リング
- 説明書
説明書には日本語のページもあって、しかもかなり分かりやすい文章なので困ることはなさそうです。
大きさは以下の通り。
MiLiのエアタグの初期設定
MiLiのエアタグはボタンになっていて、1回押すと電源がつきます。
その状態でBluetoothをONにして、「デバイスを探す」のアプリを立ち上げれば、ペアリングに進めます。
ペアリングをすれば、リストから削除するまで他のスマホとのペアリングは不可能になるので、落として奪われてもセキュリティ面では問題なしです。
リストに追加されたMiTag(名前変更も可能)をタップすれば、Buletoothで接続されているので現在のマップと共にエアタグの位置が表示されています。
当たり前ですが、表示されている位置はかなり正確でした。
MiLiのエアタグを使った紛失物の探し方
モノを紛失したときの探し方は2通り。
- Bluetooth圏内→内臓スピーカーで音で特定
- Bluetooth圏外→「デバイスを探す」アプリで追跡
それぞれ解説していきます。
MiLiのエアタグは音を鳴らせる
MiLiのエアタグはBluetooth圏内で音を鳴らせます。
Bluetooth圏内となる範囲は100mとのことですが、障害物などがあると狭まります。
とはいえ、家の中で紛失した場合であればほぼ確実にBluetooth圏内なので問題ないでしょう。
以下が音を鳴らしているときの映像です。(音が出る動画です)
意外と音は小さめで、賑やかな場所だと少し苦労するかも。でも音が大きすぎても恥ずかしいし丁度いいかも。
MiLiのエアタグはGoogleの「デバイスを探す」に対応
Googleの「デバイスを探す」の仕組みは以下の通り。(AppleのFind Myも同じような仕組み)
- 落としたエアタグはBluetooth信号を発信している
- 他人のデバイス(Android限定。スマホやスマートウォッチなど)が落としたエアタグの付近を通ってこの信号を受信したとき、位置情報を暗号化された形でクラウドサーバーに送信する
- 受信した位置情報はエアタグの所有者だけが確認できる
- 他人のデバイスがエアタグの所有者を知ることはできない
つまり、Androidユーザーが知らぬ間に協力し合って、紛失したエアタグの位置情報を所有者だけにお知らせするという仕組みです。
注意点として、GPS信号を常に出している訳ではないということ。
つまり、協力者となるAndroidユーザーがいないと位置の特定はできません。
Googleの「デバイスを探す」に対応しているAndroidスマホじゃないと協力できないよね?本当に協力者いるの?という疑問が湧きますが、条件としては以下の通り。
- Android 9.0以上
- Google Playサービスがインストールされている
- BluetoothがONになっている
- デバイスの電源が入っていて、Wi-Fiかモバイルネットワークに接続されている
- デバイスを探す機能が有効化されている(設定>セキュリティ>デバイスを探すからONにする)
Android 9.0は2018年8月6日リリースですし、「デバイスを探す機能」は初期設定時に有効化するか聞かれますが、多くの人はONにしているでしょう。
実際に確認したところ、自分のスマホも妻のスマホも何も変更せずとも上記の条件に全て当てはまっていました。
なので、深く心配しなくても協力体制となっているAndroidユーザーは多いと思います。
MiLiのエアタグで紛失した場合をシミュレーションしてみた
実際に検証として、MiLiのエアタグで紛失した場合を想定してシミュレーションしてみました。
実際に外出してエアタグを置いてきて検証しました。
スマホとMiLiのエアタグを一緒に持ち出している場合
スマホとMiLiのエアタグを一緒に持ち出している場合、Bluetooth接続によりエアタグの位置は更新されていきます。
そのため、基本落とした場所周辺の位置情報が最後に記録された状態になると言えそうです。
「エアタグから〇m離れたら通知」などの機能はありませんが、ここまでの情報があれば記憶も辿りつつ比較的簡単に探せるかと思います。
近づいたら音も鳴らせますし。
MiLiのエアタグだけを持ち出している場合
逆に、MiLiのエアタグだけを持ち出している場合は他のAndroidによる協力が必要です。
今回は、「家にスマホを置いていて、MiLiのエアタグだけを持ち出している場合」を想定します。
もしくは、「最後に紛失した場所から、何者かによって動かされた場合」も同じです。
家族の所有物にエアタグをつける場合が想定されるケースです!
最後にMiLiのエアタグがスマホと通信した場所は(スマホが置いてある)家になるので、エアタグの位置は自宅を指し示します。
こうなった場合、エアタグの近くを他のAndroidユーザーが通ってくれるのを待つしかありません。
近くを他のAndroidユーザーが通ってくれた場合、位置情報が更新されます。
どうやらエアタグはどの製品も電池の消費を抑えるために、一定の間隔でBluetooth通信を発しているらしく、そのタイミングで近くに他ユーザーがいる場合に更新されるようです。
通信間隔はどこにも記載されていませんでしたが、おそらく5分間隔あたりではないかと考えています。
常に通信を行っているわけではないので注意が必要そうです。
そのため、ほんの少し人が通る程度&すぐ通り過ぎてしまうような場所に落としても位置が更新されない可能性があるのは気にしておくべきかなと思います。
といっても、そんな場所で物を落とす可能性がどれくらいあるのかと言われると…まぁ無いよね~とは思います。
「他のAndroidユーザー」として妻のスマホを使用して検証しましたが、位置情報が更新された際はピッタリの場所を指し示しました。
紛失としてマークすると、近くを通りがかった人に連絡ができる
紛失した際に、アプリから「紛失としてマーク」することもできます。紛失としてマークすると、
- メッセージ(40文字まで)
- メールアドレス(紐づけているGoogleアカウントのメールアドレス)
- 電話番号(入力は自由)
のいずれかを近くを通りがかった人のスマホ画面に表示させることができます。
設定した場合、その後近くを通りがかった人のスマホには突然以下のように表示されます。(「詳細」はGoogleのヘルプに飛ぶ)
近くを通りがかった人が優しい方であれば、ここに記載されたメッセージに従って行動してくれたり、メールや電話で連絡をしてくれたりします。
これだけの機能があれば、まず紛失して見つからないということはないのではないかなと感じました。
MiLiのエアタグを実際に使ってみて良かった点
MiLiのエアタグを実際に使ってみて良かった点を紹介していきます。
Android対応のスマートタグが安く・問題なく使える
2025年1月時点で、Androidでも位置情報が把握できるスマートタグはほぼありません。
つまりAndroid所持者はエアタグの選択肢がほぼゼロです。
そんな中、手を出しやすい価格で出てきたMiLiのエアタグは”買い”でした。
必要十分なシンプルな機能で、Androidユーザーでも問題なく使えることは本記事でも実証済み。
屋外で落としても、IP67という「粉塵が内部に全く侵入せず、水深 1mに30分漬けても水が内部に侵入しない」仕様なので問題なし。
当たり前だけど、「普通にAndroidユーザーが全機能を使える」というのは評価点です。
MiLiのエアタグの電池は交換できる
他商品でよくあるのが、「電池が交換できない」というもの。
1~3年持つけど、電池が切れたら終了!みたいな商品が多く存在しています。
それで3000円くらいする商品もあるので、「保険として考えると安いよね」とは言いつつも「勿体ない」というのが本音。
MiLiのエアタグはCR2032というボタン電池式で、電池交換が可能な仕様になっています。
特殊なボタン電池というわけでもなく、探せば普通に見つかる普遍的なボタン電池なので苦労しません。
100均にも売っているくらい。
どれくらい電池が持つか書かれていませんでしたが、iOS版の同じ商品で同じ電池で8~12ヵ月持つとあったので、同じくらいだと考えています。
電池残量もアプリから確認できるので、たまに見ておけば安心です。
MiLiのエアタグを実際に使ってみて残念だった点
次に、実際に使ってみて残念だった点を紹介します。
といっても、致命的なデメリットはありませんでした。
Appleの「探す」ネットワークには非対応
Appleの「探す」とGoogleの「デバイスを探す」はそれぞれ別のネットワークとなっています。
どちらのネットワークを使うかを選択できるエアタグもあるみたいです。(同時使用は不可)
とはいえ、Androidの人はGoogleの「デバイスを探す」を使わざるを得ないのですが。
日本ではiPhoneユーザーが多いということもあり、人の少ないところで紛失してしまうとより捜索が難しくなるのでは?という懸念点もあります。
「デバイスを探す」機能は発展途上
デバイスを探す機能が出てから日が浅いので、Appleの「探す」と比較すると機能が少ない部分があります。
例えば、2025年1月時点で「正確な場所を見つける」機能はありません。
こちらはMiLiのエアタグというか、Googleのアプリ側の問題ではあるのですが、そういった細かい部分で不満点が出る人はいるのかなと思います。
といっても、音で探せるし実際に使っていて困ることはほとんどないんじゃないかなと思います。
「デバイスを探す」アプリからでないと使えない
デバイスを探す自体は、Webページの「https://www.google.com/android/find/」から確認が可能です。(紐づけられているGoogleアカウントを使いましょう)
ただ、残念ながらMiLiのエアタグはWebページからだとリストにありませんでした。
MiLiのエアタグと共にスマホを無くしたところで、Webページからスマホの位置は分かるので別に問題はないですが、アプリからでしか使えないという点には触れておきます。
待望のAndroidでも全機能を使えるエアタグで紛失対策をしよう
ようやくAndroidでも全機能が使えるエアタグが登場しました。
MiLiのエアタグは結構安いですし、4個セットも売っていてそちらはより安くなっています。
今後もAndroid対応のスマートタグは出てくると思いますが、現時点で十分な機能があって、さらに安いとくれば待つ理由も少ないのかなと思います。
車や自転車、バイクの盗難防止にもオススメです。